継続した新卒採用実績と
課題克服への取り組み

　『備後漬物』は約５年前から、コンスタントに毎年５名程度の新卒者を採用している。人材確保が困難な昨今だが、「地元の人に働いてもらいたい」という方針が地域に伝わり、実績もあることから確かな就職先として選ばれた結果だ。

　他の企業でも見られるように、目下の課題は若手の離職防止。残念ながら、結婚や出産・転職で、せっかく採用して育てた若手従業員が去ってしまうケースがある。若手同士の横のつながりが少々弱いことと、若手に仕事が面白いと感じてもらえる機会が少ないのではないかと同社は考えている。

　また女性従業員に関しては、部門によっては「女性は昇格しない」との先入観を持ってしまい、能力が発揮されていないのではないかという危惧もある。そこで、今までは30代の中堅社員が担っていた忘年会や、地元の納涼会などの重要な社内・社外行事プロジェクト、社内報の作成業務を若手に任せる委員会制度を導入した。

　男女区別なく若手の従業員をリーダーに任命する。主体的に考え、悪戦苦闘しながら成長してほしい。各行事での成功体験を積んで意欲を高め、横のつながりも強化してほしい。そんな思いが委員会制度には込められている。