とことん親身に寄り添い
家づくりの喜びを共有

　急成長の陰には、さぞや優秀な営業マンがいるに違いないと考えるのは、誰しも思うこと。しかし同社のトップセールスは、異業種の非営業職からの転職組だ。社長でさえ一番最初は住宅営業のノウハウがなく、せっかくチラシや看板、ホームページを見てモデルハウスに来たお客さまに対し、いい営業トークができず苦労したという。それでも勉強会やコンサルの指導を通じた改善、ノウハウの蓄積もあり、販売は拡大していった。チラシはモデルハウスや完成見学会を実施する周辺エリアのアパートなど、見込み客となる人のいる住居に、着実にポスティングするよう心掛ける。

　藤本社長が社員に常々語るのは、お客さまに対しとことん親身になり、寄り添う姿勢。同社には所得が少ない人など、さまざまな理由で住宅ローンの審査が通りにくいお客さまも多くやってくる。どうすればローンが組めるか営業スタッフが予算や返済の条件を一緒に考え、銀行にも同行。やっとのことでローン審査が通ったときや完成引き渡しの際には、お客さまと共に喜び、感激の涙を流し合うような関係性を築いている。

　低価格高品質の住宅を供給できることは、新しい事業や商品・サービスを生み出すきっかけにもなる。「事務所も安く建てられないか」と事務所建築の引き合いがあった。戸建てを複数棟並べて、家賃が安く入居率のよい賃貸住宅での土地活用も提案した。新たな需要が掘り起こせる平屋住宅も始めた。